今日も最新号 (vol.72) の紹介をさせていただく大編集後記ながら、いつも僕のつぶやきに付き合ってくださる諸兄のために、今日はちょっと変化球で特集作りの秘密をお送りしよう。
4つのセクションに分けるのと、それぞれにパートタイトルを付ける作業は実は大変な労力である。特集に沿って次々と記事作りが進行していく中では、今回であれば「別れ」をテーマに各方面にばら撒いて収集していくといったイメージだ。最初から章立てが決定しているわけでなく、進行しながら配置も含めてカテゴライズするのが僕流だ。
そもそも今回は「俺たちの別れ」という極めてシンプルな特集タイトルを採用している。散々悩んだ日々だったが、今回ばかりはアレコレいじるのは無しだなとこれに決めると、前述したとおり進行している企画をパズルのように組み立てて、できるだけセクションが少なくなるようにカテゴライズしながらタイトルを考える。セクションが多すぎるとタイトルなんだかセクションなんだかわからなくなってしまう。ならば逆に、特集タイトルだけで全て記事単位で並べちまえという乱暴な話もあるが、これはあまりにも無策であると僕は考える。70ページもある特集をいくつかにカテゴライズすることで場面が変わり、それをデザインや色使いにも反映させて変化を感じていただく。読者の皆さんにとっては隠し味程度のことながら、僕はこの作業に力点を置く。ちなみに、4or5章立てが好きだ。
もうちょっと突っ込んでご説明しよう。総タイトルが「俺たちの別れ」となっている以上、セクションタイトルにこのワードはかぶり感ができるから極力入れたくない。これも工夫点のひとつで、第1章より「涙の場面集」「心に残るリアル」「プロのみぞ知る世界観」と並べた。「俺たちが流した涙」とか「心に残っている別れ」とかしてはならぬ。ウンウン、うまくいったぞ。するってえと、次の第4章に少し色をつけたいと欲が出る。そんな時に思いついたのが、「SAD SAD SONGS」だ。おーっ、自分としてはこいつはバッチリだぜと喜びなのだが、もちろん誰が褒めてくれるわけでなく完全なるマスターベーションだな。
そしてこれは厄介な問題もはらんだ。「プロのみぞ知る世界観」のトップに持ってきた、来生たかおさんのインタビューをこのセクションの頭にするのもカッコいい。これもまた散々悩み、レイアウトされた紙を並べたりバラしたりして今の構成に決定したりのさ。どーだーっ、そんなカルトな部分までを共有してもらえるのが僕のつぶやきである。所有している方々は、なるほどなと楽しんでいただきたい。まだの方は買ってねー!!
昭和40年男のVol.72号読みました。一番その中で気になった記事は連載記事「夢、あふれていた俺たちの時代 昭和63年(1988年)」のソウルオリンピックのところ。ベンジョンソンのドーピング問題が今年の北京冬季オリンピックのワリエワの問題とダブってしまった事です。北京では色々「?」となる出来事が多くスーツの違反での失格騒動とかも話題になりましたし、閉幕後にはオリンピックの休戦協定を破るロシアのウクライナ侵攻…。「何のためのスポーツか?」と同時に「何のためのオリンピック」かも問う大会でした。昨年の東京オリンピックも、決まった時はみんなはワクワクしていたはずなのにコロナ感染拡大後に手のひらを返すように中止を叫ぶ声が高まってしまったのもそうでしたね。こう言うスポーツなら気持ち良くスッキリした方が良いのですけれど…。