惜しくも解体される黒川紀章設計の未来建築…『中銀カプセルタワービル 最後の記録』刊行を記念しタメ年ご子息登壇のイベントが開催。

おはこんばんちはです。「S40ニュース!」をお送りします。
 
1970年、昭和40年男世代がまだ幼き頃に、夢の未来都市を現出せしめたEXPO’70 大阪万博。その会場に立ち並ぶ個性豊かなパビリオンの数々に関わり、大いに活躍したのが “新陳代謝” をコンセプトにした「メタボリズム」の建築家たちでした。
 
その一人、故・黒川紀章氏が実際に居住可能なメタボリズム建築として設計し、‘72年に竣工されたのが、東京・新橋に位置する「中銀カプセルマンシオン (カプセルタワービル) 」です。
 
各部屋が交換を想定した統一規格のカプセルユニットで構成されている、まさにメタボリズムの代表作であり、時代を象徴する歴史的な建造物として世界的に評価されてきたこのカプセルタワービルですが、惜しくも来月、2022年 3月 には閉鎖され、今後解体されることが決定しています。

『中銀カプセルタワービル 最後の記録』(草思社)  表紙

 
これに伴い、『中銀カプセルタワービル 最後の記録』(草思社) が本日、2月25日 (金) に刊行。114カプセルの室内を中心に400枚以上の写真を掲載。文字どおり最後で最大の記録となった、決定版の書籍として発売となりました。
 

▲実測図
▲A棟 806
▲B棟 807
▲建物外観

 
この『中銀カプセルタワービル 最後の記録』の刊行を記念して、3月18日 (金) 19時 より、東京・代官山 蔦屋書店にてトークイベントも開催されます。
 
登壇するのは、黒川紀章氏のご子息で、1965年=昭和40年生まれのタメ年だという黒川未来夫氏と、元カプセル住人たち、保存・再生プロジェクトを推進してきた代表の前田達之氏。
 
すでに今年1月には大半の住人が退去したという中銀カプセルタワービル。今回のトークイベントでは、その過去から現在まではもちろん、美術館への寄贈や「泊まれるカプセル」の運営など、解体後の未来のカプセル計画についても語られるとのこと。
 
新陳代謝を標榜し、永続的に発展していくことが夢見られるも、残念ながらカプセルを一度も交換することなく解体されることとなってしまった未来建築… パストフューチャーからロストフューチャーへ?
 
しかし、保存・再生プロジェクトによるカプセルの再利用などで、そこで描かれた未来への夢はいわば種子となり、また新たな場所で花開くのかもしれませんね。
 
昭和の未来像を振り返りつつ、令和の現在から果たしてどんな未来を描けるか? そんなことをあらためて考えるよい機会となりそうな今回のトークイベント。チケットは、会場参加40名、オンライン参加100名の定員で現在販売中です。詳細は以下にてチェックを!

(「昭和トリオ」 “Web担当A” )
 
 
[以下、中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト  ニュースリリース より]

1972年 建築家・黒川紀章氏によって設計された「中銀カプセルタワービル」。当時時代を先駆けて「これからは工場生産によるカプセル住宅が主流になっていくであろう」という思想のもと建設され、竣工から50年経った現在もメタボリズム思想建築の代表作として広く知られています。
2022年、この建物の解体が始まります。
 
イベントでは黒川紀章氏のご子息である黒川未来夫氏と元カプセル住人たち、中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト代表の前田達之により、中銀カプセルタワービルの今までとこれから、そして気になる中銀カプセルタワービルでのライフスタイルについて語ります。モデレーターは 代官山 蔦屋書店 コンシェルジュで昨年実際に7ヶ月間カプセルに入居していた野村千絵氏です。
 
もうすぐお別れとなってしまう中銀カプセルタワービルの魅力を存分にお伝えするこの機会、視聴者の皆様からの質問も受付けます。
 

<イベント概要>
【日時】 2022年 3月18日(金)19:00~20:30
【場所】 代官山 蔦屋書店 3号館 2Fシェアラウンジ
     オンライン配信(zoom)
【定員】 会場40名、オンライン100名
【参加費】イベント詳細サイトをご覧ください。
【主催】 代官山 蔦屋書店
 
 
【ゲスト・プロフィール】
黒川未来夫(くろかわ・みきお)
1965年 東京生まれ。株式会社MIRAI KUROKAWA DESIGN STUDIO 代表取締役。
東亜大学大学院総合学術研究科客員教授。
1990年に東京藝術大学美術学部卒業。2008年〜2016年に株式会社黒川紀章建築都市設計事務所の代表取締役を務める。現在、建築設計及びデザイン等の傍ら、中銀カプセルタワービル室内を利用した「CAPSULE+LIBRARY」の開設(2019〜2020)、長野県御代田町のメタボリズム住宅「CAPSULE HOUSE-K」の動態保存活動(2019〜)など活動を行う。主なプロジェクト
日本芸術院美術品収蔵庫(2014年 東京都)、千壽介護老人保健施設(2013年 東京都)、佐渡インフォメーションセンター(2014年 新潟県)、ナザルバイエフ大学マスタープラン(2009〜2014年 カザフスタン)、ヴァンゴッホミュージアム エントランスホール増築(2013年 オランダ)、など。
 
前田達之(まえだ・たつゆき)
1967年 東京生まれ。中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト代表。建物の保存と再生を目的に、2014年にオーナーや住人とプロジェクトを結成。見学会の開催や1か月単位で宿泊できるマンスリーカプセルの運営、取材や撮影のサポートをおこなう。編著書に『中銀カプセルタワービル 銀座の白い箱舟』(2015年、青月社)、『中銀カプセルガール』(2017年、青月社)、『中銀カプセルスタイル』(2020年、草思社)など。
 
 
<イベント詳細サイト>
 
<中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト について>
保存再生プロジェクトは 2014年に保存派オーナーと住人を中心に結成。長い間、現在の場所でカプセルを交換し、黒川紀章氏の提唱してきた「メタボリズム」の実現に向け活動してきました。2021年 3月 に解体が決定し、現在は取り外したカプセルを再生し美術館への寄贈や「泊まれるカプセル」の運営に向けて動き始めました。
 
公式ウェブサイト:https://www.nakagincapsuletower.com/
Facebook    :https://www.facebook.com/NakaginCapsuleTower
instagram   :https://www.instagram.com/nakagin_capsule_tower/
Twitter      :https://twitter.com/nakagincapsule
 

 


 
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