またもやつらい別れ。

去年の暮れのことだ。控えめながらいくつかの忘年会を開催した。その一つで会社の地元中華で盛り上がった日があり、2軒目は世話になっている居酒屋に暮れの挨拶ついでに付き合ってくれと、この日ご一緒した2人を伴って向かったのだが、まさかまさかの閉店である。「またか、憎っくきコロナめ」とせっかく盛り上がっていた気分が冷え込んでしまった。

 

姉妹なのか、もしかしたら双子なんじゃないかという2人のおばちゃんがあたたかく迎え入れてくれる店だった。魚がうまくて、遅くまで開いているから原稿を頑張った夜に一人でもよく利用させてもらっていた。それはおばちゃんがかまってくれるからであり、ニンニクたっぷりの鰹のたたきなどうまい料理によるところでもあった。

 

▲たった1枚のこの張り紙でお別れなんてつらすぎるよ。この2年で僕はいくつの店を失っただろう

これまで何軒もの店をコロナで失ってしまったが、連絡をいただけたのは1軒のみで他は突然にして今生の別れとなっている。蕎麦屋のおばちゃんも、スナックのおばちゃんも、そして今回の居酒屋のおばちゃんも絶対ではないにしろ会える可能性は極めて低い。せめて礼が言いたいのである。「お世話になりました」の一言が言いたいのである。悲しく寂しい。

 

とは言え、馴染みの店にたたむ時は連絡くれなんて失礼なことは言えるわけがない。でも、前回一人でここに行った時は「うちに来るようなお客さんはみんな在宅になっているのよ。暇で暇で」とぼやいていた。ここで鋭く「絶対にたたまないでくださいね。もしそうするなら必ず連絡くださいね」と言えばよかったと後悔しつつ、やはり言えるセリフではない。どうしてくれるんでえ、この行き場のない気持ちを。僕ごときが軽く言えたセリフではないが、飲食店の皆さんがんばってくだされ。とは言え、このオミクロン爆発でさすがに僕も呑み歩けないでいる。周囲から感染の声がバンバン届いていて、みなさん軽症ながら10日以上職場に行けていない。僕の仕事柄、それは絶対に避けなければならないからで、極めておとなしくしている。これもまた悔しい日々だ。
 

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