15分煮込むだけで美味しくなる!
人情味あふれる麻布のオーナーシェフが伝授!
「オリジナルなドライカレー」
昭和の時代も令和の時代も、子供の間で不動の人気を誇るのがカレーライスだ。今回は、そのメニューを大人の俺たち向けにアレンジしたドライカレーを紹介しよう。
“麻布のお料理寅さん” こと平野貴之シェフが教えてくれたレシピは、炒めるのみでOK!
料理の工程は簡単で、一般的なあの調味料を加えるというちょっとした気配りで美味しく出来上がり。平野シェフオリジナルのドライカレーを読者の皆さんだけにお届けします。
(『昭和40年男』本誌 2021年 2月号/vol.71 掲載 「お料理寅さん」
第4回「発展途中のドライカレー」〜一国一城の主の寄り道話〜 より 再編集 )
▼調理動画はコチラ!
■ドライカレーとは?
ドライカレーというと、大体みんなが思い浮かべるのは喫茶店で見かけるカレー味のピラフだと思うけど、汁気の少ないカレーもドライカレーと言う。今回お届けするドライカレーは、挽肉を使ったキーマカレーに近いイメージ。
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■調理工程
- タマネギとニンニクはみじん切りにしておく。
- フライパンにバターとニンニクを入れて弱火にかけ、ニンニクの香りを出す。
- ニンニクがふつふつしてきたら、タマネギを加えて中火にして炒める。
- タマネギがしんなりしてきたら挽肉を加えて炒め、肉に火が通ったらカレーパウダーを入れて炒めて香りを出す。
- しょうゆ、みりん、チャツネを加える。こげと煮詰まりを防ぐために途中で水を少量加えながら、弱火にして約15分コトコト煮込む。仕上げに香りと風味をプラスするガラムマサラを加えたら火を止める。
- 皿にごはんを盛り、でき上がったカレーをかけ、スライスしたゆで玉子、紅しょうがをお好みでのせたら完成。
■お料理寅さん流 “ひと手間POINT”
①肉から出た水分を飛ばす
②しょうゆとみりんを加える
③チャツネで甘みをプラス
■“麻布のお料理寅さん” こと平野貴之シェフが、
時短でおいしくをテーマに考案
東京・麻生のおしゃれスポットに、人情たっぷりのシェフがいるという。姓は平野、名は貴之、人呼んで “ お料理寅さん” とは、この男のことだ。
今回のメニューはドライカレー。平野が一時期アルバイトをしていた喫茶店で出していたドライカレーをヒントにした、オリジナルレシピだ。材料は主に肉とタマネギのみ。小麦粉と油で固めた一般的なカレールウを使わないのでもったりしておらず、シンプルながらもボリュームある一皿になっている。
フライパンを火にかけ、バターを溶かしたら、ニンニクを入れてしっかりと香りを出す。そこにタマネギのみじん切り、挽肉を加えて炒める。
「挽肉は、牛でも、合い挽きでも、鶏でもいいけど、できれば脂身が少ないものを選ぶこと。あと、炒めた時に肉から出てくる汁は臭みがあるので、水気が飛ぶまでしっかり炒めるのがおいしさのポイントだ」
肉の色が変わり、水分が飛んだら、そこにカレーパウダー、しょうゆ、みりん、チャツネを加えよう。このチャツネとは、フルーツをベースにしたインド料理に用いられるペースト状の調味料だ。マーマレードやジャム等で代用できるが、日持ちするし、高値なものではないので1本買っておくことをおすすめする。
15分ほど煮込み、ミックススパイスのガラムマサラを仕上げに入れたら、肉々しいドライカレーの完成だ。皿にごはんとカレーを盛り、ゆで玉子と紅しょうがをお好みでトッピングしていただこう。紅しょうがのアクセントは、みりんとチャツネにより加わった甘みのあるカレーとも好相性だ。
主な材料は肉とタマネギだが、いくつもの調味料と香辛料を合わせたドライカレーは深い味わいとなる。数種のスパイスを調合したカレーパウダーやガラムマサラの奥に、まろやかなみりんの甘み、しょうゆの塩味が顔を出す。さらにチャツネの甘みが、リンゴとハチミツが溶けているあのカレー以上のコクをプラスする。たった15分しか煮込んでないとは思えない深みのある味が魅力だ。
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取材・文: 平川 恵 撮影: 尾形隆夫
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