テクニクスへの憧れ 〜大編集後記。

 

発売後は外出先で本屋を見つけては、最新号の置き場をチェックする。余裕があると店員さんに声をかけて、状況を聞いたりするのも楽しい時間だ。というのも、おおむね褒めてくださるからだ、えっへん。そして昨日は同世代とおぼしき男性が、最新号を手にしている場面に出くわした。声をかけたらきっと買わざるを得なくなるだろうから、やや離れた場所で文春を立ち読みしながら動向を見ていた。ああ、奥ゆかし。かなり長い時間をかけて読んでくださっている。「行け、レジへ行けっ」と心が何度も叫んでいるが、やがて彼は本を置き去っていった。傷んでいないかを確認しても立ち去った。その悲しみは、まるで女の子にふられたかのようだ、ぶぇーん。と、そんな悲しみを乗り越えて今日も元気に最新号 (vol.71) をご紹介させていただく、大編集後記の始まり始まり〜!!

 

このレコードプレーヤーを夢見たキッズは多かろう。僕の家は電気屋を営んでいて、松下は取り扱いメーカーだった。が、新品の音響機器をおろしてくれるなんてことはなく、僕ら兄弟に与えられるのは下取り品ばかりだった。ラジオもテープレコーダーもずいぶん以前のものを使っていて、売れるとどれどれと物色しては状態がよければ交換する。テレビもそうだったから、リモコンでチャンネルを操作したのは電気屋であるがゆえかなり遅かった。ステレオも下取りの家具調 (それでも来た日は大興奮だった) を使っていたのだが、ある日、ぬぁんと、全てがテクニクスで統一されたセパレート式のステレオ一式が下取りされたのだ。中坊の頃だったから、それはそれは狂喜乱舞した。東京下町の荒川区に、そんな金持ちがいるんだなと感嘆させられた覚えがある。まだバリバリ現役を手放して、さらに最新式のテクニクス一式を購入したのだから。

 

てなわけで、このページの右下で紹介されている「SL-1200」だったか記憶は定かではないが、調子の良いレコードプレーヤーが僕の音楽ライフを支えてくれたのさ。

 

本文では、この名機がいかに優れていたか。また、どのような理由で進化を遂げていったのかがパナソニックさんの方により詳しく語られている。あの日、この名機を欲しがったみなさんは必見のページだ。読めば昭和のモノ作りの現場から熱を学ぶことになるだろう。それらを体感しながら育った俺たちはなんと幸せ者よ。下の世代へと向けて恩返ししなけりゃ、バチが当たるぜと同世代諸氏がふんどしを締め直していただければ幸いである。さあ、書店へと急げっ!!  立ち読みはやーよ。

 

p.s. 僕プロデュースのフォレスタ動画第4弾「スカイ・ハイ」を、ぜひご視聴あれ。

 

 

 

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