『昭和50年男』恐るべし。

 

先日今年最後の弟が発売になり、どうやら調子はいいようでホッとしている。俺たち世代にも馴染み深いお菓子のヨーグルを使って、あれほどまでにぶっとんだ表紙はなかなかあるまいと焦りを感じるお兄ちゃんである。単体でデカくレイアウトした表紙も作っていたがどちらもバカバカしくて大変よろしく、意見を求められたものの編集長判断に委ねるよと答えたほど、どちらも秀逸だった。特集はそのヨーグルの工場見学から始まって、続けてもう一つの工場取材が今日のビジュアルで、こちらもみなさん世話になったはずだ。ヨーグルの木のスプーン同様に、楊枝で刺して食べる感じが儀式っぽくて好きだった。

 

この2つに関してはシンパシーを感じられたものの、凄まじい勢いで繰り広げられる「CHAPTER 2」のお菓子カタログが世代差を感じさせてくれておもしろい。キャンディやチョコレートなどとカテゴリー分けを施したうえで延々と続く。立ち読みでもいいのでぜひご覧いただきたいページだ。そしてここでは俺たち世代には馴染みのないパッケージが当然ながら多く見られる。

 

丁寧なのは、昭和50年男が生まれる以前から続き彼らも馴染みのあるという囲みを作っていて、ここはほぼすべてを知っている。「ライオネスコーヒーキャンディー」や「チョコベビー」「カール」などのパッケージは思わず「懐かしー」と叫んでしまうが、囲み外に並ぶお菓子たちは知らないものがほとんどで、なんとなくパッケージもゴージャスに感じられる。時代の香りが実によく出ているのだ。そしてそれらの中でも、ああ革命的だなと思われるパッケージが散見できて楽しい。’84年発売の「カラムーチョ」はその一つだろう。グミや「ガリガリ君」の食感も驚きだったし、空前の大ブームを巻き起こしたものの俺たちはまったく蚊帳の外だった「ビックリマンチョコ」などなどもそれだ。これらのエポックなお菓子は後半に取材記事もあり、俺たち世代も必見だ。『昭和40年男』でも感じられることで、昭和の大人たちは子供と真剣に対峙していたのである。“明日への夢と元気” であふれているぞ。

 

僕が涙したのが、ふるさとの東京都荒川区の駄菓子問屋を取材していることだ。日暮里駅からほど近い、昭和には160軒もあったかつての駄菓子問屋街は、今回取材した大屋商店さんだけになってしまったとのことだ。うーむ、ちょっぴり寂しいけどどっこい80歳のおばちゃんはお元気そうである。昭和を感じさせてくれるこのページも俺たち世代必見で、えーいめんどくせえ、どいつもこいつも買っちめえ!!

 

 

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