都内のいちょうが見頃だ。もう最後のチャンスと言っていいかもしれないほどで、ほぼ散ってしまっている木もあり黄色の絨毯も楽しめる。ごらんの写真は我が社至近の第一京浜の金杉橋あたりのものだ。見事じゃ。皆さん、このチャンスにぜひ浜松町にお越しくだされ。芝離宮に浜離宮、増上寺と地味ながら味わい深いスポットが点在する。東京タワーというビッグスターもあるし、江戸情緒を感じられる裏通りや、普通に美味しくて呑んべえをも満足させる老舗そば屋の更科布屋などなど、おっさんが1日のんびりするのにはなかなかの優れタウンだ。そうか、今度浜松町を読者の皆さんと練り歩くイベントを開催しよう。名付けて「大人の遠足」じゃーっ!! ひとまずターゲットは来年の春だな。
四季っていいなあ。日本人でよかったなあといつも感謝する。もちろん冬なんかない南の島国も、年中極寒の北国も住めば都だろう。でも56年もこの国で生きてきた僕には、東京の四季から離れることはできない。ガキの頃に比べると街も空も格段にキレイになったし、四季を愛でるスポットも増えた。世界の都市ランキングでもいい評価を受けている。ある歴史フィクション番組で、かの家康公が江戸を与えられこの地を初めて見たときに、治水さえしっかりとすれば戦が無くなるというくだりがあった。米が潤沢にできれば、奪い合いがなくなるからだとの表現で、これには深くガッテンガッテンさせられた。実際、江戸は治水によって信じ難いほどの発展を成し、江戸時代は長きにわたり平和を作った。
そんなことは知らないガキの頃は、東京はもっともっと汚れていくイメージを持っていた。仕方ないだろうなと。近所の川は魚が住めないくらい澱んでいたし、発展と汚染はセットだと思っていた。が、どっこいこれは違っていたのだ。官民一体となって環境対策に取り組んだ結果が、今の東京である。かつてばあちゃんが住む地で見た星空は、むしろ現在の東京の方が美しいかもしれない。
バイクの仕事にも関わっていて、最近カーボンニュートラルの話題が増えた。かつて石原都知事が東京からディーゼル車を締め出したごとく、行政よりのハードルは高くそびえる。そこに牽制するような発信をしながらも、水素エンジンに取り組むトヨタの豊田章男さんはすばらしいに尽きる。この動きに日本のバイクメーカーも賛同して、どうやら4メーカーがタッグを組んで水素をはじめとしたカーボーンニュートラルに取り組む。つまり内燃機を維持しようと動き出しているということだ。大変喜ばしいことで、僕はバイクイベントで「皆さん、おめでとうございます。内燃機は未来永劫残ります」と先走って発した。というのも、モーターはやはりモーターでしかなく、内燃機の爆発による加速とはほど遠いことを多くのバイク乗りたちは知っているからで、おめでとうに値するのである。さあ、技術の日本としての正念場だ。そして東京の空はますます美しくなる。