ひと手間加えて、さらに美味しく!
人情味あふれる麻布のオーナーシェフが伝授!
クリスマス直前 スペシャル編「ブイヤベース」の作り方。
寒い季節はアツアツの鍋が恋しい。いつもの寄せ鍋もうまいが、クリスマスなどの特別な日には、魚介類を豪快にぶちこんだブイヤベースでしゃれこんでみよう。
“麻布のお料理寅さん” こと平野貴之シェフに教わってみたところ、“男の鍋料理” 感覚でトライできる、実は初心者向けの料理なのではと感じたゾ!!
(『昭和40年男』本誌 2021年 12月号/vol.70 掲載
「お料理寅さん」第3回「男の約束 ブイヤベース」〜初めての就職の話〜 より 再編集 )
▼調理動画はコチラ!
■ブイヤベースとは?
南フランスの郷土料理で、魚介類からあふれ出す出汁の旨味が効いたトマトベースのスープ料理。どんな食材を集められるかがポイントとなってくるが、調理工程は意外と単純。煮るだけで、見た目も味も豪華な一品ができ上がる!
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■調理工程
- 魚介類は汚れを取るなど下処理をする。ニンニクは薄くスライス。タマネギはこの後の “ひと手間POINT/下ごしらえ” を参考に切って準備する。
- スープを作る。鍋にオリーブオイルを入れて中火にかけ、ニンニク、タマネギ、ローリエを入れる。タマネギが少し浸るくらいの水 (分量外) を加え、タマネギがしんなりするまで炒める。
- ②の鍋に白ワインを入れ、水気がなくなるまでしっかり煮詰めたら、さらにホールトマトを加え、ヘラでよくつぶす。
- ③の鍋に水とキッチンペーパーで包んだけずり粉を入れる。湯が沸いてくるとアクが出てくるのでていねいにすくう。塩と白こしょうで薄めに味を調える。火を止めてから、電子レンジで煮詰めたサフランを加える。サフランの香りと色が出たらベースとなるスープの完成。
- 土鍋に魚介類を盛り付け、その上からスープを注いで中火にかけ、沸いてきたらアクを取る。魚介類に火が通ったら、バターを加える。彩りにパセリのみじん切りをのせたらでき上がり。
■お料理寅さん流 “ひと手間POINT”
①下ごしらえ
②スープ作り … 白ワインを煮詰めてうまみを凝縮
③スープ作り … 出汁の旨みをプラス
④スープ作り … 火を止めてからサフランを入れる
⑤魚介を並べた土鍋にスープを入れる
■“麻布のお料理寅さん” こと平野貴之シェフが、
初めて就職した西洋料理店のブイヤベースを再現
東京・麻布のおしゃれスポットに、人情たっぷりのシェフがいるという。姓は平野、名は貴之、人呼んで “お料理寅さん” とは、この男のことだ。18歳で料理人になると決めた平野が初めて就職したのが、東京・四谷にあった西洋料理の店。今回紹介するレシピは、その店の名物料理だったブイヤベースがもとになっている。
ブイヤベースとは南仏のプロヴァンス地方の代表的な料理。でもあまり難しく考えなくてもいい。平たく言えば海鮮の寄せ鍋だ。
まずはベースとなるスープづくり。オリーブオイルを熱した鍋に、ニンニク、タマネギ、ローリエを入れて炒める。白ワインを加えて煮詰めたら、トマト、水を加える。さらにキッチンペーパーやお茶パックに入れたけずり粉を加えよう。けずり粉とは100円ショップでも手に入る、お好み焼きなどにかける、鰹節やブリ節を粉末にしたものだ。
「けずり粉を入れると、フランス料理でいうフュメ・ド・ポワソン (魚の出汁) とは違った複雑な味をかもし出すんだ」
沸いてきたらていねいにアクを取り、塩、白こしょうで調味する。後ほど魚介と合わせるので薄味に仕上げておこう。ここで一度火を止めて、電子レンジにかけて煮出したサフランを入れる。サフランは高価だが、これを入れるとグッと香り高くなり、風味に違いが出るのだ。
そしてメインの魚介の出番だ。エビ、貝 (ムール貝、ホタテ、ホンビノス) 、なんでもいいが、スープの味をよくするワタリガニはぜひ加えてほしい。白身魚を入れる場合は、あらかじめ塩と白こしょうを振り、浸透させておこう。土鍋に下処理をした魚介を並べ、先ほどのスープを注ぎ、フタをして火にかけて貝の口が開いたら、具材におおよそ火が通ったサイン。
仕上げにバターを加えて、パセリのみじん切りを振ったらでき上がりだ。器に盛り、レモン汁で味変しながら豪快にいただこう。
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取材・文: 平川 恵 撮影: 尾形隆夫
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