『太陽にほえろ!』は、多くのキャラクターを輩出した。
ボス、ゴリさん、ヤマさん、デンカ、長さんら、ベテランの渋い系刑事たちに、
ジーパンはもとより、マカロニ、テキサス、スニーカー、ボンなどなど
魅力的なキャラクターたちが取っ替え引っ替え加わっていき、
画面をめいっぱいに使って事件を解決していく。
でもやっぱり、ジーパンが特別でしたよね?
“ジーパン”の名は演じた松田優作の名前とともに
心に深く刻まれたのだった。
それは同時に、自分とはまったく別のベクトルを持つキャラに
強くひかれるということを知ったのだった。
笑いを振りまく三枚目な自分にとって、
ジーパン刑事はどこも相まみえない存在だもの。
思えばそれまでも、
ルパンの相棒の次元大介、
ガッチャマンではコンドルのジョー、
ゴレンジャーなら青レンジャー(俺のキャラはいうまでもなく黄レンジャーだ)
といったあたりから始まり、松田優作が決定づけたような気がする。
だってね、その後もストーンズならミックよりキースだし、
エアロならジョー・ペリーだもの。
そんなクールでダンディズムなキャラに憧れる、
激情型お笑い野郎の俺という現実を自覚させたのが
松田優作だったのだ。