音楽雑誌ジャンキー ~大編集後記。

発売から1週間が経った。vol.70は書店で大活躍しているようで、会社に入る注文も多い。前号では会社の在庫分が一瞬にして尽きてしまったため大幅に増やしたのだが、もう底をつきそうな勢いである。ネット内ではプレミア価格が散見されるが、まだあるからねー。書店にも積んであるぞー。

 

中学に入り洋楽に徐々にハマっていったある日、僕は書店に物色に出かけた。洋楽の雑誌があるという確かな情報を得ていたわけではないが、ともかく近所にあった比較的大きな書店に出かけたのは、この年の暮れのことだった。僕は一瞬にして『ミュージック・ライフ』に心を奪われ、購入したのが1979年1月号だった。あの人はこんな姿だったのかと、ラジオの情報と照らし合わせることの何と楽しいことよ。お気に入りのミュージシャンのインタビューや、新譜レビューなんかも誌面に穴が開くんじゃないかというほどの力を込めて読んだ。あの情熱を勉学に振ったら、僕の人生は全く異なることになっていただろう。

 

それまで雑誌を定期的に愛読したといえば、親が買ってくれた小学館の小学●年生シリーズやチャンピオン・ジャンプなどのマンガ誌だった。『ミュージック・ライフ』はそんな子供向けの世界ではなく、大人の階段を2段空かしでガンガン上った気がした。以来、発売日の毎月20日は書店へと駆け込む日になったし、いつも指折り待っていた。

 

雑誌のすばらしさを教えてくれた『ミュージック・ライフ』だが、だんだんと対象になっているミュージシャンと自分の嗜好にズレが生じてきたのが高校1年生の頃だ。それでも感謝の気持ちからか本棚に並べ続けたし、あの背表紙はかっこよかった。そうして1979年の1月号からまるまる3年間に渡り欠かすことなく買い続けた『ミュージック・ライフ』は、ついに36冊のコレクションで定期購入をやめたのだった。でもあの興奮を教えてくれたおかげでその後の雑誌ジャンキーが出来上がり、こうして世にも不思議な雑誌を生み出すことにつながったのだから、当時の編集長の東郷かおる子さんと編集部に感謝である。そしてその編集長・東郷さんに『昭和40年男』での取材の縁でお会いして、感謝の気持ちを伝えられたのだから人生ラララだなあ。

 

この特集号を手にしているハードロック/ヘヴィメタルファンの方々はどの雑誌を手にしていたのだろう。気になるところである。
 

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で