今日は発売直後の恒例つぶやきの大編集後記をお休みして、古葉竹識監督へ哀悼の意を捧げたい。昭和50年に広島カープを優勝へと導いた。前年までの3年連続最下位に続き、この年も不調続きだったところでシーズン途中からタクトを握り、見事にチームを優勝させた。赤ヘル軍団なんて言葉が舞い、ちょうど長嶋監督の就任と最下位とも相まって、野球好きの俺たち世代には印象深い年だろう。その後もカープを三度の日本一に導いた名将である。
2015年の『昭和40年男』vol.29 での特集『俺たちが震えたあの瞬間 (シーン) 』で、この時の優勝についてインタビューさせていただいた。古葉監督は記事の締めくくりで優勝を振り返りこう語った。
「原爆が落ちて百年は草も生えないと言われるなかで、カープは市民のみなさんの支えになっていたんですね。そのことがあらためてわかり涙が止まらなかった」と。原爆からの復興に苦しんだ広島をリアルに感じられたこの言葉に、取材陣は一同涙させられたそうだ。この話から僕は広島を支持するようになり、またこの記事のおかげで広島秘密基地の幹事会とも交流を深められた気がする。
俺たちの記憶に強く残る昭和の方たちが、一人また一人と旅立っていくのは悲しい。そしてその度に感謝の気持ちを強くするのは、永遠に続く昭和の輝きでもある。古葉監督、ありがとうございました。ゆっくりとおやすみください。