『太陽にほえろ!』に新たなヒーロー像を見た俺。
ドリフターズに入れないのなら、刑事になる。
俺は自分の夢に第2志望を加えたのだった。
調べてみるとジーパン刑事の登場が73年で、
殉職が74年ということであった。
もしも本放送のリアルタイムで涙した昭和40年男がいたとしたら、
かなりませた小学生だと思う。
以前にもここで愚痴ったが、
仮面ライダーやゴレンジャーを見たいのに、兄貴や姉貴から
「んなガキっぽいのばっか見てんじゃねーよ」
という熾烈な攻撃に遭ってTVのチャンネル権を奪われ、
それでも必死に番組に食らいついていた、レベルハイな人であろう。
俺はといえば、もちろん再放送組である。
ちなみに東京都荒川区の小学校では、
再放送であったにもかかわらず
ジーパンが殉職するあのシーンは、
クラスの話題をさらったのだった。
お上に位置する人間たちを
今よりもっとリスペクトしていたという背景もあったのだろうな。
警察官や刑事は、命を懸けて正義を貫き通すということが
当然だと思われていた時代だ。
スカートの中を盗撮しちゃったり買春しちゃったりするような
聖職という言葉が崩壊してしまった現代では、
あそこまで作り込んでもしらけてしまうだけだもの。
お巡りさんは絶対的に正しい存在で、
その上に位置する(と感じていた)刑事なんか
もう正義の塊じゃねーかという意識があったし、教育もあった。
そうした背景があるうえで作り込むのだから、
ラクとは言わないまでも、おもしろくするベクトルがわかりやすい。
そこだけに向けてクオリティをあげていけばいいわけで、
今思うと、作る現場もさぞ楽しかったのではないだろうか。
やはりいい時代だったのだなあ。