弦がとぶ… 追悼・すぎやまこういち先生。

いつもは一応世代を分け、「S40ニュース!」「S50ニュース!」などと銘打っているんですが、今回もまたドッチーモ的に、というか、そもそもニュース的でもなく、つぶやきならぬ “ぼやき” 枠な感じですけども… ともあれお送りいたします。
 
本日各方面で報道されたとおり、人気ゲーム『ドラゴンクエスト』シリーズの音楽でお馴染みの作曲家、すぎやまこういち (本名・椙山浩一) さんが先週、2021年 9月30日(木) に、敗血症性ショックにより90歳で亡くなられたとのこと。すでにご高齢だったとは言え、やはりショックですね…。

▲『交響組曲「ドラゴンクエスト」ライブ・ベスト -音楽の宝箱-』(2009年 再発)

 
ニュースソースとなったのは、スクウェア・エニックス公式サイト内の「ドラクエ・パラダイス」。同サイトでは「すぎやまこういち氏は長年にわたり、弊社ゲーム作品『ドラゴンクエスト』シリーズの音楽を手がけ、シリーズの発展に寄与されました。故人は『ドラゴンクエスト』シリーズの500曲以上に及ぶ楽曲のすべてをおひとりで作曲されており、制作中の『ドラゴンクエストXII 選ばれし運命の炎』の作曲が最後のお仕事となりました」とその功績を振り返りつつ、ドラクエの音楽は「永遠に皆様の記憶の中にあり」「ゲームの世界でいつまでも生き続けてまいります」として、すぎやま先生への感謝と哀悼の意を表しています。

  
多くの昭和50年男世代にとっても、すぎやま先生の作品といえばやはりドラクエの音楽が馴染み深いことでしょう。あの勇ましいテーマ曲や、シリーズ各作での印象深いフィールドBGMはもちろんのこと、日々の生活の中でも、戦闘シーンやパスワード入力の曲、レベルアップ、宿屋に泊まって朝が来た時のフレーズなどが、シチュエーションに合わせてついつい脳内再生されてしまうほど脳髄に浸透している人も多いのでは…?
  
 
日中、『昭和40年男』『昭和50年男』のTwitterアカウントでは、関連のリツイートをさせていただいたんですが、その中にも数々の印象深いエピソードがありました。

ドラクエをはじめとするゲーム音楽の作曲に携わるようになったのも、そもそもはご本人がゲーム好きだったから。バックギャモンなどのアナログゲームのコレクションも有名でしたが、コンピュータゲームも初期から愛好。エニックス (当時) のPC用ソフト『森田将棋』へのアンケートはがき (書いたまま放置してあったのを奥様が送ったんだとか) が同社開発者の目に留まって、そこから「作曲家のすぎやまさんですか?」と連絡して、ゲーム用の音楽を依頼するようになったとか…。

筆者としては、ファミコンのように同時に3音しか出せないゲーム機ではまともな音楽なんて作れない、と言われていた時代に、すぎやま先生が “バッハだって1音、2音だけを使った素晴らしい曲をたくさん書いている。もし彼が今生きていたら、きっとすごいゲーム音楽を作りますよ” といった主旨の発言をされていて、非常に感銘を受けたのを覚えていたりします。
 
 
 
…と、昭和50年男寄りの話だけでずいぶん長まってしまいましたが、昭和40年男にとっては、まず何と言っても世代的な心のヒーローである『帰ってきたウルトラマン』(’71) の主題歌が、決して忘れられない名曲ですよね。
 

 
他にもフジテレビのディレクター時代に自ら作曲されたというお馴染み『ザ・ヒットパレード』のテーマや、アニメ『スカイヤーズ5』(’71 ※カラー版 ) の主題歌、キャンディーズの「ハート泥棒」(’76) 、編曲を手掛けた『サイボーグ009』(’79 ※第2作) の主題歌「誰がために」 などなど… 馴染み深いすぎやまこういちサウンドがたくさん思い出されることでしょう。
 
Twitterでのツイートでは、麻里圭子さんが『ゴジラ対へドラ』(’71) の挿入歌「へドラをやっつけろ」の録音で褒められたこと、堀江美都子さんがアニメ『わんぱく大昔クムクム』(’75) の主題歌録音の際に「君ソウルも歌えるんだね」と声をかけられたこと、そんな当時のすぎやま先生の想い出も語られていました。
 

 
 
そして個人的には… いや、きっと多くの人の心に深く刻まれているのが『伝説巨神イデオン』の音楽でしょう。テレビシリーズの主題歌、たいらいさおさんが歌ったOP「復活のイデオン」、戸田恵子さんが歌ったED「コスモスに君と」はともに素晴らしい名曲ですし、劇場版『接触篇』のエンディングを飾る「セーリング・フライ」もたまりません。
 
そして『発動篇』での加速する悲劇、怒涛の展開に完全シンクロしたサントラ! タイトルからしてシビれすぎる「弦がとぶ」、ヒトの滅びと再生を彩る荘厳なるエンディングテーマ「カンタータ・オルビス」…。
 
 
 
イデオンを観ずに曲だけ聞いた人の中には「まんまドラクエw」などと言ったりする輩もいるようで、いやいや、こっちが先だから!と思わず憤ってしまうんですが… とにかく、イデオンはすぎやまこういちの音楽あってこそ完成し、アニメ史上に輝く永遠の名作となったと言えましょう。
 


一昨日の『銀河鉄道999』のシネマ・コンサートのニュースに、Facebookの方では奇しくも「イデオンでもやってくれないかな~」というコメントをいただいてたんですが、それはまさに…!と思っていた矢先の、今日の報せでした。すぎやま先生の指揮ではもう観られないというのは残念ですが、本当に、ぜひ実現してほしいと切に願います。
 
 
以上、長々と駄文を垂れ流してしまいましたが、あらためて最後に…
すぎやまこういち先生、心に残る数々の素晴らしい音楽をありがとうございました。
謹んでお悔やみ申し上げます。

(「昭和トリオ」 “Web担当A”)
 


 
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