本日発売じゃーっ。ってまたかよと思ったそこのあなた、まあまあ聞いてくだされ。馬鹿ヅラ男の横にいるイケメンは編集者でありミュージシャンでもある2コ下の友人、河西啓介さんだ。この度、『片岡義男を旅する一冊』を作り、そのPRをしてくれないかと相談を受け、わが社が誇るバイク系の雑誌や各種デジタルコミュニケーションを駆使して協力させていただくことにした。そして不肖北村もこうしてつぶやきで応援させていただくというわけだ。
俺たち世代にとって片岡さんといえば、まずピンとくる作品が『スローなブギにしてくれ』ではないだろうか。主題歌も大ヒットしたし、このワードを知らない同世代はほぼおるまい。オートバイが効果的に描かれていて、多くのライダーたちに愛されている作品でもある。これ以外にも片岡作品にはバイクがポイントを握っているものが多い。
河西さんはバイク雑誌作りに長く関わっていて、かつて編集長を務めていた『MOTO NAVI』ではその創刊号で片岡さんに短編小説を書き下ろしてもらうという快挙を成し遂げている。以降も片岡さんに寄稿を続けてもらい、2013年には「片岡義男とオートバイの旅」という特集を『MOTO NAVI』でぶちかましたりと、自身のファン魂で片岡さんを口説き続けた。かっこいいルックスとは似つかわしくない (?) 熱いハートで本作りを続けてきた男で、今回の発行もそれをビシビシと感じさせてくれる。
本の頭で魂を吹き込むリード文はこうだ。
オートバイ、自動車、サーフィン、ファッション、片岡義男の小説から、僕らは人生に必要な多くのことを教わった。その読書体験は、まるで知らない世界を “旅” するかのようだった。この本では、時代を超えて読み続けられる片岡義男作品を巡りながら、かつてその世界に浸った人々には懐かしく思い起こしてもらいつつ、未だ知らない、あらたなる “片岡義男の世界” の旅へといざなう。
としている。
河西さんは熱だけでなく、同業者として尊敬しているセンスの持ち主であり、今回の “作品” でもそれは存分に発揮されていることは友達抜きにしても強く訴えられる。片岡作品に少なからずの影響を受けたという同世代にはきっと強く響くことだろう。
それにしても河西さん、本作りのセンスは前述のとおりなのだが、音楽をやらせても僕よりずいぶんと先を走っている。武道館を目指してアラ50の男たちで一昨年に結成したバンド、その名もずばり ROAD to BUDOKAN はアルバムをリリースするなど突っ走っている。がんばらなくちゃといつも刺激をくれているナイスガイで、そんな部分も含めてこの本を応援する次第である。金はもらってないからね〜 (笑) 。
p.s. この発行は書店の卸問屋を通さず、イベントなどでの手売りやご理解いただけた書店のみとのこと。ネットでは富士山マガジンサービスにて購入できる。