キャンディーズ衝撃の解散宣言…あの夜を44年後につないだ伊藤 蘭。9/26「野音Special !」ライブを全キャン連代表がレポート!!【前編】

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【伊藤 蘭「野音Special!」レポート Part 1 -②】

■あの頃の紙テープに代わって… 会場で一斉に揺れたペンライト

取材・文: 石黒謙吾
 
 
次もソロデビュー後初の「夏が来た!」。この曲は後楽園ファイナルでただ1曲、あまりに時間が押してしまい飛ばされたという曰く付きのもの。このリアルな顛末も大里会長に詳しく聞いたのだが、あまりにも押しに押していて、届け出た時間を大幅にオーバーしていく中、管轄の警察に会場内を追い回され、バックバンド MMPのリーダー・渡辺茂樹さんのキーボードの下に隠れながら、仕方なく1曲飛ばす指示を出したと聞いた。今では考えられない、牧歌的というか、社会全体もエンタメ界も、いろいろとゆるく平和でおっとりしていた時代のおもしろエピソードである。

シングル「哀愁のシンフォニー」(’76.11.21)
▲シングル「哀愁のシンフォニー」(’76.11.21)

次は「アン・ドゥ・トロワ」で、その後はいよいよ「哀愁のシンフォニー」。往時のキャンのライブでは、サビの「♪こっちを向いて〜」3回で会場のファン全員が一斉に紙テープを投げて異常な盛り上がりを見せ、すさまじい一体感に包まれた。後楽園では5万本の紙テープが同時に舞い、最上段から観ていた人に「スタンドが傘を差したようだった」と言わしめた、伝説の観客による自主的応援エンタメである。
 
キャンディーズ解散の数年後には、ライブ会場での紙テープ投げは禁止になっていった。よって今では絶滅した伝統芸である。僕は多い時は1ステージ100本とか投げていたので、1万本近く投げたかも。なので、30メートルのテープが届く範囲なら山なりでほぼ狙ったところに落とせる技は身についた。
 
というわけでテープがダメな現在は、ペンライトである。会場一斉に、がかなり浸透してきたようで、この日も赤いペンラがきれいに揃って振られていた。僕は大阪から、警備員さんが持つような点滅する長い誘導灯を準備していて、この3回だけ限定で使っている。これも広まるといいなぁと思っている。
 

アルバム『年下の男の子』(’75.4.21)
▲アルバム『年下の男の子』(’75.4.21)

「哀愁」の次に、またすごいのがきた。「悲しきためいき」である。この曲は ’75年春に出たアルバム『年下の男の子』に入っているのだが、その後キャンがレギュラー出演していた人気テレビ番組『みごろ! たべごろ! 笑いごろ!』内の、3人が演じるミニドラマコーナーの挿入歌となっていたので、そちらで印象深い人も多いはずだ。
 
これはキャン当時のライブでも歌ってはいたが、そう多くもなかったような気がする。この曲では「♪あかーりがー」「♪これーからー」とサビ2ヶ所で、暗く落とした会場の照明がぱっと点くのだが、このタイミングで紙テープを投げていた人も、全員とまではいかなかったが、かなりいた。
 
そして大阪とこの日の野音で、僕はしっかりと赤いペンラ振り出しをやって、燃えた。他にも少しはいたようだ。
  
(→【後編】へ続く…)
 

 
■PROFILE: 伊藤 蘭 / いとう らん
▲伊藤 蘭 ソロ2ndアルバム『Beside you』

1973年、「キャンディーズ」のメンバーとして歌手デビュー。センターとなった5枚目のシングル「年下の男の子」が初のヒットとなってからは人気沸騰。「春一番」「やさしい悪魔」など、さらなるヒットを連発し、’77年7月の突然の解散宣言から、’78年4月に後楽園球場で伝説となったファイナルライブを行うまでファンを熱狂させた。

’80年、映画『ヒポクラテスたち』(大森一樹監督・脚本) に主演し、女優として芸能活動を再開。以降、夢の遊眠社作品をスタートとして、三谷幸喜作品『子供の事情』など数々の舞台に出演。テレビドラマでは、木曜ドラマ『DOCTORS 最強の名医』などに出演し、映画『少年H』では夫である水谷 豊との共演も果たした。2019年に歌手としてソロデビュー。1st アルバム『My Bouquet』は、第61回レコード大賞 企画賞を受賞。以降、配信シングルやアルバムのリリース、ライブ、メディア出演など精力的に活動を続けている。
  
 
伊藤 蘭 2nd アルバム『Beside you』情報
 https://www.110107.com/s/oto/page/ran_ito?ima=4723&panel=4#tshits

伊藤 蘭 コンサート・ツアー2021 情報
 https://www.diskgarage.com/feature/ito-ran/2021/

 
■執筆者 PROFILE: 石黒謙吾 / いしぐろけんご

昭和36年、石川県金沢市出身。著述家・編集者・分類王。全国キャンディーズ連盟 (全キャン連) 代表。著書には、映画化されたベストセラー『盲導犬クイールの一生』、“分類王” の『図解でユカイ』をはじめ、『2択思考』『エア新書』『ダジャレ ヌーヴォー』『カジュアル心理学』『ベルギービール大全』『ナベツネだもの』など幅広いジャンルで多数。
 
プロデュース・編集した書籍も、『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』(神田桂一、菊池良)、『ジワジワ来る○○』(片岡K)、『負け美女』(犬山紙子)、『ナガオカケンメイの考え』(ナガオカケンメイ)、『餃子の創り方』(パラダイス山元)、『昭和遺産へ、巡礼1703景』(平山 雄)、『昭和歌謡[出る単]1008語』(田中 稲)、『もしあのBIGアーティストが [文春砲にやられた] 歌詞を書いたら』(相田 毅) など250冊以上。

■イシブログケンゴ http://blueorange.co.jp/blog/
■Twitter  @ishiguro_kengo (https://twitter.com/ishiguro_kengo)

 

レポート後編はこちら!
 【後編公開】 キャンディーズ衝撃の解散宣言…あの夜を44年後につないだ伊藤 蘭。
  9/26開催「野音Special!」の全キャン連代表レポート !!

 


 
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