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【伊藤 蘭「野音Special!」レポート Part 1 -②】
■あの頃の紙テープに代わって… 会場で一斉に揺れたペンライト
取材・文: 石黒謙吾
次もソロデビュー後初の「夏が来た!」。この曲は後楽園ファイナルでただ1曲、あまりに時間が押してしまい飛ばされたという曰く付きのもの。このリアルな顛末も大里会長に詳しく聞いたのだが、あまりにも押しに押していて、届け出た時間を大幅にオーバーしていく中、管轄の警察に会場内を追い回され、バックバンド MMPのリーダー・渡辺茂樹さんのキーボードの下に隠れながら、仕方なく1曲飛ばす指示を出したと聞いた。今では考えられない、牧歌的というか、社会全体もエンタメ界も、いろいろとゆるく平和でおっとりしていた時代のおもしろエピソードである。
次は「アン・ドゥ・トロワ」で、その後はいよいよ「哀愁のシンフォニー」。往時のキャンのライブでは、サビの「♪こっちを向いて〜」3回で会場のファン全員が一斉に紙テープを投げて異常な盛り上がりを見せ、すさまじい一体感に包まれた。後楽園では5万本の紙テープが同時に舞い、最上段から観ていた人に「スタンドが傘を差したようだった」と言わしめた、伝説の観客による自主的応援エンタメである。
キャンディーズ解散の数年後には、ライブ会場での紙テープ投げは禁止になっていった。よって今では絶滅した伝統芸である。僕は多い時は1ステージ100本とか投げていたので、1万本近く投げたかも。なので、30メートルのテープが届く範囲なら山なりでほぼ狙ったところに落とせる技は身についた。
というわけでテープがダメな現在は、ペンライトである。会場一斉に、がかなり浸透してきたようで、この日も赤いペンラがきれいに揃って振られていた。僕は大阪から、警備員さんが持つような点滅する長い誘導灯を準備していて、この3回だけ限定で使っている。これも広まるといいなぁと思っている。
「哀愁」の次に、またすごいのがきた。「悲しきためいき」である。この曲は ’75年春に出たアルバム『年下の男の子』に入っているのだが、その後キャンがレギュラー出演していた人気テレビ番組『みごろ! たべごろ! 笑いごろ!』内の、3人が演じるミニドラマコーナーの挿入歌となっていたので、そちらで印象深い人も多いはずだ。
これはキャン当時のライブでも歌ってはいたが、そう多くもなかったような気がする。この曲では「♪あかーりがー」「♪これーからー」とサビ2ヶ所で、暗く落とした会場の照明がぱっと点くのだが、このタイミングで紙テープを投げていた人も、全員とまではいかなかったが、かなりいた。
そして大阪とこの日の野音で、僕はしっかりと赤いペンラ振り出しをやって、燃えた。他にも少しはいたようだ。
(→【後編】へ続く…)
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→レポート後編はこちら! 【後編公開】 キャンディーズ衝撃の解散宣言…あの夜を44年後につないだ伊藤 蘭。 9/26開催「野音Special!」の全キャン連代表レポート !! |
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