錦織さんとは違うタイプのかっこいいタメ年男に、特集本編のトップバッターを託した。SIDE Aの「強く生き抜けタメ年男」がここからスタートする。少し以前、深夜番組だったと思う。健康診断の前日でも普段どおり呑むと豪語していた。普段の生活と同じでなけりゃ意味がねえだろっみたいな感じだったと記憶している。いいっ、サイコーだ。タメ年男の鑑だ、あっぱれと歓喜しながら焼酎をガブッと呑み干したのだった。そんな憧れのタメ年男が、インタビュー冒頭で「『昭和40年男』はよく読んでますよ」ときたもんだ、きゃーっ。僕にとってのアイドルにそんな言葉をいただけてうれしいったらない。
うれしいこのセリフに続いて「オイラたちの世代は子供の頃、ガラッとカルチヤーが変わり、戦隊ヒーローものやアニメもテレビで盛んにやり始めて、その直撃を受けている」と行く。そう、これが昭和40年男の誇りだと僕はあちこちで語っているし、だからこの本を堂々と創刊させたのだ。本当に恩恵だし、ゴールデンエイジだと信じきっている。「同世代には特別な思いがあります」と、古田さんはこのくだりを結んだ。
彼がお茶の間 (死語!?) に浸透したのは2002年の『木更津キャッツアイ』とのことで、傑作という噂は聞いていた。だがお恥ずかしいことにお茶の間に座る時間がほぼない僕が、触れる機会はなかった。いつも感動と感心と感嘆させられる宮藤官九郎さん作品だと聞いて、いつか観てやるっと右手拳を固めている僕だ。余談ながらNHK大河ドラマでクドカンが本を書いた『いだてん ~東京オリムピック噺~』は、ロスが怖くていまだに最終回を観ていない。かつて僕は重度のあまロスになった。それにビビっていながら、楽しみはとっておいている。ハードディスクのそのタイトルをポチッとしそうになるたびに我慢している僕は、これもかなり重度のクドカンジャンキーであり変態だな。その『あまちゃん』でも、古田さんはなくてはならない存在感だった。ピエール瀧さんの演じた寿司屋の大将と並び、古田さんが演じた秋元 康さん…、失礼、荒巻太一は傑作すぎるキャラだ。
このメインカットは、同世代の男に言わせればうっとりする。さらに次のページで、9月23日から公開される主演映画『空白』の紹介コーナーを設けていて、これに使われているカットがまたすごくいい。必ず観に行くぞー。
で、インタビューの最後は還暦が近づいてきたと、まるで僕がライフワークにしている「還暦上等」を推してくれるような展開であり、彼ならではの締めになる。ウンウン、強くうなずいた僕でありきっと皆さんもますます古田新太が好きになるはずだ。手に入れていない同世代諸氏は損だよ、ソンソン!!
p.s. ソウソウ!! 前号から連載で始まった「お料理寅さん」の動画をアップしてます。簡単だけど本格的にという、料理未経験者には絶好のレシピで発信中だ。トライしてみてくだされ。