還暦上等その5 ~アバ復活の仰天。

このつぶやきで、不定期連載でお届けする「還暦上等」である。そもそもは『昭和40年男』の10周年を記念してぶちあげたスローガンだ。俺たちはいったいどんな還暦男となるのだろうか? 還暦を迎える昭和100年は、雑誌『昭和40年男』がハブになって還暦概念大変革元年とする野望を掲げているのだ。僕はつい先日誕生日を迎え、いよいよあとXデイまで4年を切った。その日まで僕はなにに影響され、思考や心境にどんな変化があるのかをつぶやきながら皆さんと共有していきたいと考えている。ではシリーズ5回目をお届けしよう。

 

シカゴブルースが好きだとか、ヘンドリックスに雷を落とされたとか、ストーンズに心奪われたとか、常々このつぶやきでカッコつけてはいるが白状しよう。アバが僕の洋楽の起点じゃーっ!!  きゃーっ、ちょっと恥ずかしいよーっ。同世代諸氏には、テレビから衝撃を受けたキッスだとか、お姉さまから刷り込まれたベイ・シティ・ローラーズだとか言う方が多いが、僕が洋楽に興味を持ちのめり込ませていただいた功労者は紛れもなくアバだ。

 

リアルタイムでヒットを体験したのは「サマー・ナイト・シティ」で、このつぶやきでおなじみの『ダイヤトーン・ポップス・ベストテン』で仕入れた。セクシーな曲ですな、今聴いても新鮮だ。強烈に刷り込まれたアバの名を、ラジオの番組欄で見つけてベスト選曲の特集を録音した。「ダンシング・クイーン」は、それまでこんなに美しくもゴージャスな曲は聴いたことがないと感動した。「S.O.S.」や「イーグル」、「ザッツ・ミー」あたりに、日本には絶対に存在しない音楽だと思い込み、洋楽とは偉大だとジャンルもへったくれもなく、海の向こうは全部スゲーと信者になった。今考えれば間違いだらけながら、当時の洋楽への強すぎる興味が、人生における集中力を養ってくれたと感謝している。もう一度告ろう、アバが僕の洋楽の起点じゃーっ!!

 

先週末の朝の情報バラエティや、NHKのニュースまでもが取り上げていた。そのアバが40年の時を経て復活するとな。二組の離婚から解散してしまい、ここにきて復活とは彼・彼女らの人生はじつにおもしろい。敬愛するSIONさんの大好きな曲「通報されるくらいに」の歌詞に、「何度でも 何度でも 始めたら 始まりさ」というの一節がある。人生はいくつになっても始めた奴がカッコよくて、やらない奴は本来カッコ悪い。そしてやらない奴は、やれない理由を並べて正当化していく。残念ながら昨今、同世代諸氏からそんなのを見させられることが多い。そしてそんな奴に限って、始めて生じた失敗を笑ったり批判したりする。やれやれうんざりだぜと、僕は彼らとの距離を置くのだ。逆に、泥だらけになって地べたを這いつくばってがんばっている不器用な奴にすり寄る (笑) 。僕もどうしようもなく不器用だが、SIONさんが同曲で叫んでいる「通報されるくらいにぶっ飛ばすぜ」と生きていきたい。

 

って、何の話だっけ。アバだよ!!  11月にアルバムがリリースされて、来年にはライブを展開するというから仰天だ。男性メンバーで、ギターを持って軽やかに舞っていたウルヴァースさんは「年齢を経ると全てに深みが出る。私たちの長年のたくさんの体験を (アルバムから) 感じてほしい」とコメントを出したそうだ。彼は76歳とのことだ。うーむ、カッコいい。20年後の自分やいかに。その答えは今を生き抜くことしかないのさっ。還暦上等!!
 

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