騒ぎの予感 ~我が心の梶原一騎。

タイトルを書きながら、不意にテレサ・テンさんの名曲「別れの予感」を思い出してほろっとしていたりする。でもあの曲、現代だったらヒットしてないかもしれないですな。あんなにけなげに想いを持てる女性を「ないない」で片付けてしまうような昨今ではないだろうかと、さみしく感じてしまう昭和のクソオヤジである(笑)。

 

スピリットが過去のものになりそうという点では、この本を出すことの意義は大きい。「別れの予感」以上に、現代社会が遠ざけているキーワードが散りばめられているのが梶原作品である。若い奴らに迎合しなくていい。むしろ俺たちはもっと吠えなければならない。そう感じさせてくれるほど、昭和の熱がこの一冊に込められている。『昭和40年男』の過去記事を引っかき集めているものの、息子さんの高森 城さんや梶原作品の理解者を代表してタメ年の大槻ケンヂさんのインタビューを書き下ろしで掲載している。『あしたのジョー』と『愛と誠』の原画集なんてページも入れ込んでいる。そして過去記事も素晴らしいものばかりだ。いつもは『昭和40年男』のヘビージャンキーは買わなくてもよしという姿勢を貫いているが、こいつは一冊の本として同世代諸氏の棚に入れておくべきだ。いえいえ、いつもどおり立ち読みでもノープロブレムですぜ。巻頭のインタビューは、過去記事の奥様のインタビューとともに読んでいただきたい。

 

そしてこのタイトルと表紙である。我が社が誇るバイク部門の編集長に「書家の知り合いいない?」と聞くと「いますよ」とポーンと返ってきた。楽書家を肩書きにしている今泉岐葉さんで、タメ年女である。梶原スピリットも理解しているという彼女に、希望を伝えて出てきた。プレバトのなっちゃん (カルトかな) のごとく、直しはまったくなしの一発OKとなった。イメージ以上の作品をサンキューである。

 

タイトルは以前このつぶやきで伏線を張った。愛するレイ・チャールズの曲からピンときたタイトルながら、これ以上の誌名は見当たらないじゃないか (出たーっ、自画自賛) 。たった4文字ながら、よくぞハメたものだ。内容、表紙、そしてタイトルと、こいつは騒ぎになる予感がする。決して別れの予感ではない。先日の伏線でもつぶやいた、
〜この総集編、あまり好きでない表現だけど「かなり、ヤバイっす」〜 
てな訳で本日大安。次号の表紙はこれじゃーっ!!

 

 

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