中1の時に洋楽にハマった。ヒット曲を漁っては、好みのミュージシャンを見つけて虜になる。だが、すでに脂が乗り切って少し峠を越えたかなという時期のクイーンやエアロスミスだったり、過去に遡った方が断然素敵なストーンズやツェッペリン、イーグルスのようなバンドが多かった。そんな中で先日つぶやいたトトと今日つぶやくヴァン・ヘイレンは、俺たち世代にとってはリアルタイムヒーローだ。厳密に言えばヴァン・ヘイレンのデビュー時は、まだ中学に上がる直前の『ザ・ベストテン』に夢中な邦楽小僧だったから、その衝撃は後追いになってしまう。まあ、新人と言っていい頃に知れたのは幸運で、双方ともにファーストコンタクトは『ダイヤトーン・ポップス・ベストテン』で、シリア・ポールさんによって押し込んでいただいた。
僕が挙げるヴァン・ヘイレンのベストアルバムは、文句なしにデビューアルバムの『炎の導火線』である。トトの『宇宙の騎士』同様、なんとも秀逸な邦題じゃないか。そしてそのサウンドの凄まじさは導火線どころか大爆発だった。ヘヴィメタルに属するというのが世論だったが、僕は彼らをそこにはめたくなかった。トト同様に “ヴァン・ヘイレン” というジャンルだと捉えた。いや、別の言い方をすると最強のロックンロール・バンドなんだと位置づけた。ブルースっぽいのを演ったり、デビューシングルとなった「ユー・リアリー・ガット・ミー」がキンクスのカバーだったり、ストーンズやフェイセス、エアロスミスやJ・ガイルズ・バンドの仲間として捉えた。これはヴォーカルのデイヴィッド・リー・ロスによるところも大きい。唱法がヘヴィメタルやハードハードロックの連中とは明らかに異なるからだ。彼が脱退してサミー・ヘイガーに変わってからのヴァン・ヘイレンはヘヴィメタルであり、僕の心は離れた。
先日つぶやいたトトのデビューアルバム『宇宙の騎士』がインスト曲で始まったのに感激した一方、こちらは頭の3曲によってノックアウト状態に追い込まれた。極めて重いサウンドが魅力のオープニングから、2曲目にインストというか、エディの超絶ソロナンバーが炸裂する。後半のライトハンド奏法の美しい音色はそれまで知らない世界へと誘ってくれ、僕は当時なぜか「シャボン玉」と形容していた。うっとりしながら聴いた直後に、今度は凄まじいほどのギター音の壁が襲いかかってくる。こちらは当時、「鋼鉄」と表現した僕だ。頭をガツンとカチ割られた気がした。僕にとってロック10大ショッキングにランキングされていて、新たに加わってくる楽曲があるものの『炎の導火線』のど頭3曲はその圏外に外れたことはない。
とまあ、そんなヴァン・ヘイレンの話をなんで引っ張り出したのか。それはね、ご覧のとおり最新号でエディのかっこいい写真を採用したからなのさ。そう、まだまだ「なう、おん、せえる」なのだよ。まだまだ書店棚において最新号はニューフェイスなのだよ。つうことでPRを兼ねてヴァン・ヘイレンのおもひでを語っているわけさっ。商魂たくましいわけさっ。さてさて、今宵は久しぶりに『炎の導火線』に頭をカチ割られることにしようっと!!
“ホントはツェッペリンみたいな音楽を演りたい。だけど、それならデイヴはどうすりゃいいんだい?”と、昔のインタビューでエディが語ってたのを覚えてます。
確かに、デイヴは凄いヴォーカリストではないけど、バンドの楽曲の豊かさからして、やっぱりヴァン・ヘイレンには、デイヴがだなぁと思ってます。
そういえば、しばらくの間デイヴは日本に住んでましたが、その頃の記事は少ないですね。