昨日の焼きそばは悲しい話だっだけど、今日は元気に営業している老舗そば屋さんの話だぞー。本当に僕ったらどうでもいいことばかりつぶやいているね(笑)。
昼を抜く1日2食生活に加えて、朝も食べない16時間のプチ断食がいいとタメ年男から教わって週に2回程度実践している。確かにお腹の調子が以前よりいいし、体重も維持はできている。ただ、長年目標にしている、高校時代の体重に戻すのはなかなか困難で、一進一退に一喜一憂している日々だ。毎年誕生日に向けてギアを上げているのだが、56歳も達成は難しそうだ。
ともかく節制の日々自体はうまくいっいる。これはあまり追い込まないのがうまくいっているのに尽きる。食べたい時にはガツンといったり、昼を抜くことはほぼ習慣になっているのに突如無性にそばが食いたくなることがあり、そんな衝動は抑えないのだ。とくにこの時期は、冷やしたぬきそばが頭に浮かんでしまうともう止められない。気がつくとそば屋の暖簾をくぐっている僕だ。
ご覧のとおり美しすぎるだろっ。ここのはつゆがきちんと徳利に入っている。こうした老舗ならではの振る舞いが随所にあるから、僕は我が街・浜松町の名店の更科布屋さんに通うのだ。江戸時代から続く店ながら、庶民派であることをまるで自らに命じているかのようなスタンスが大好きで、昼抜きをやる以前は月曜日と雨の日はほぼ必ずここにいた。というのも、それらの日は大盛りがサービスになるのだ。ああ、セコイ。更科布屋さんは庶民派を貫いているとは言え、普通の街そば屋よりは若干お値段高めだ。この冷やしたぬきも880円で、大盛り150円が入ると1,030円になる。そば屋で1,000円超えはなんとなく贅沢すぎる気がしてしまうのだ。が、この一杯が大盛りで880円となるとかなりコスパハイじゃないか。多くの街そば屋と肩を並べるじゃないか。
冷やしたぬきそば研究家としてあちこちのを平らげてきたが、僕がこれまで食した限りではここが日本一である。研究家でなくともご理解いただけるだろう。たっぷりと盛られた錦糸卵ときゅうりの細さがいいじゃないか。さらに干し椎茸を甘辛に炊いたのが細切りにされてのっているのがたまらない。カニカマもそのままでなくきちんとほぐされていて味のアクセントになっているし、主役の揚げ玉の雪のような美しさよ。薬味には小口切りのネギとわさびはもちろん、大葉の千切りものせられている。うーむ、完璧すぎる。
血糖値が気になる中年はベジファーストキャンペーンを続けていて、まずつゆをかけないできゅうりをいただく。やがて一気にズババと行く序章のごとく、ゆ〜っくりと噛む。そしてつゆはまだかけない。椎茸とそばでいただく。くーっ、日本人でよかったとなる。そしてつゆを徳利から解放してやると、もう誰も僕を止められない。ネギをちょこんと乗せて食う。次はわさびをちょこん、続いては大葉をちょこんだ。大葉が加わるのも、老舗ならではの行き届いたサービスなんだとうなずきながら夏の香りに酔う。ふーっ、大盛りながら量は満腹とはいかないが、心は大満足できる。
布屋更科さんが我が街になければ、僕のダイエットはもう少しうまくいっているかもしれない。いやいや、前述したとおりたまにこうして解放してやることが長続きのコツなんだと言い聞かせながら、また近いうちに暖簾をくぐるのだろう。