横井庄一さんのおもひで ~大編集後記。

発売直後のお楽しみ(!?)、大編集後記をつぶやかせていただこう。

 

 

“冒険” で特集を組む。その中に横井庄一さんを入れ込むのは、かなりチャレンジングな姿勢だ。彼の凄まじすぎる体験は決して冒険なんて生易しいものじゃないから、不謹慎だと非難されてしまうかもしれないが、もちろん我々は大真面目に取り組んでいるわけであり、そんな声が上がってもへっちゃらな内容に仕上げたと堂々と胸を張っている。ページを見ていただければそれはきっと納得いただけるはずだ。僕は上がってきた原稿を読んだ時に泣いた。

 

衝撃のニュースが日本中を駆け巡ったのは1972年1月のことだから、俺たち世代はしっかりと記憶に残る年齢になっていた。“戦争を知らない子供たち” と呼ばれた俺たちにとっては、ものすごくリアルに戦争を突きつけられたのではあるまいか。ちょっと脱線するが、昭和40年男を語るうえで、戦争との接し方は極めて重要だと常々考えている。親世代の戦争体験や、教師たちの戦争体験などに様々なイデオロギーが入り込んでいる時代だ。当然ながら様々な考え方が混在していて、その教育にも大きな個人差があり、受け止めながら成長した俺たち世代だ。ヒーローものなどでも、作者の戦争体験が色濃く入り込んでいて、それをガキの頃より自然と受け止めている。思想レベルまでという男は、少し前の世代と比べると確かに少ないのは否めないが、一律に「戦争を知らない」でくくれはしないはずだ。

 

僕が小さな頃は、上野に出かければ必ず軍服を着て地べたに座り、金の無心をしている大人が大勢いた。そんな風景を自然に見ていた僕は、親父の教育も相まって、敗戦を感じながら育った。そんな中、横井さんはずっとこもっていたという信じがたい人だ。英雄だった。報道を見ながら親父から説明を受け、誌面にもあるように『少年マガジン』や『BE-PAL』に取り上げられるなど、多くのメディアから露出があり、日本人の心に大きな影響を残している。記事の中心も、生涯をまとめた絵本の『よこいしょういちさん』の作者、亀山永子さんの声だ。

 

凄まじい4ページを『昭和40年男』が初めて取り組んだアドベンチャー特集のど頭に持ってきていることで、くどいようだが俺たちの姿勢を示している。この気概をぜひ受け取ってほしい。今俺たち世代が再確認すべきワードが数多くちりばめられている。これも毎度つぶやくことだが、立ち読みでも構わないから手にしてほしい。週末を経て明日より燃えて生きるためにも、きっとエネルギーとなるページだ。ぜひっ。

 

おまけ!!
発売日にリリースした『昭和40年男』プロデュースの動画だ。ご覧いただいてない方はこちらもぜひっ!! シリーズ第3弾は「男達のメロディー」じゃ。

 

 

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